会社経営における5つの利益率

入札を行うときに、入札額をいくらにするかを悩むことが多いと思います。

こんな時に参考にするとよい5つの利益率を紹介します。

業界によって目安とする利益率があります。

<利益その1>売上高総利益(粗利)

粗利益は、よくご存じだと思います。

売上 ー 原価 = 粗利になります。

PL(損益計算書)でも出ている数字です。

物販や製造業であれば、仕入れが原価です。

コンサルや士業の場合は、原価が0円です。

この粗利は、取り扱っている商品サービスが、
どれだけの付加価値があるのかを示す指標です。

下記は業種業界別の粗利率です。

・製造業 22.3%
・卸売業 11.8%
・小売業   27.6%
・建設業 17.7%
・飲食業 56.8%

自分の業界に当てはめてみて、
平均より下回っていたら改善が必要です。

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<利益その2>売上高営業利益(営利)

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これも、PLで出てくる数字になります。

営業利益は、本業においての収益性や、
経営管理の効率を示す指標になります。

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 ×100

上記で計算することができます。

多くの業界で、1%~5%あれば上出来で、
業界別では下記のような水準になってます。

・製造業            4.8%
・卸売業            1.7%
・小売業            2.8%
・情報通信業    7.3%
・飲食業            4.1%
・サービス業    6.5%

IT系の企業は、比較的に高い傾向にあります。

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<利益その3>経常利益
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経常利益もPLで確認できる数字ですが、
多くの会社が営業利益とイコールです。

ただ、補助金や助成金などをもらっている場合、
営業外収益が計上されるようになるため、
経常利益が営業利益よりも多くなったりします。

一般的な企業の経常利益は約4%が平均値で
優秀な企業の場合は10%前後になります。

業種別の内訳は下記の通りです。

製造業       7.0%
卸売業       2.6%
小売業       3.0%
情報通信業      8.0%
飲食業       4.3%
サービス業      6.9%

売上10億円で経常1億円で経常利益率10%を
1つの目標にすると良いかと思います。

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<利益その4>自己資本利益率(ROE)

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この数値は、PLでは出てこないものです。

BSで数値を確認して計算が必要になります。

計算式としては、

自己資本利益率 = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

自己資本は、負債を除いた金額です。
会社の資本金ではありません。

自己資本利益率は、自己資本に対しての当期純利益を
どれほど上げることができたかを示す指標です。

どちらかというと経営者よりも株主に向けたデータで、
株主たちはこのデータを投資効率の指標としています。

業界別の平均値は下記の通りです。

製造業        7.6%
卸売業        8.2%
小売業        6.6%
情報通信業                8.9%
飲食業        6.7%
サービス業              12.9%

サービス業が比較的に高い水準になります。

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<利益その5>総資本利益率(ROA)
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これもPLでは出てこない数値です。

総資本利益率は、総資産に対してどれだけの利益を
生み出すことができたかというデータです。

このデータは、企業の資本をいかに
効率的に運用できているかを示しています。

計算式としては、

総資本利益率(%) = 当期純利益 ÷ 総資本 × 100

総資本とは自己資本と融資を受けた分も含め、
会社にあるすべての資本を表しています。

業界別の平均値は下記になります。

製造業       3.8%
卸売業       3.0%
小売業       2.8%
情報通信業      4.5%
飲食業       2.9%
サービス業      6.2%

今日説明した5つの利益のうちで、
最初の3つは確認しているかと思いますが、
ROEとROAも是非とも一度計算してみてください。

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