損益計算書のPLと貸借対照表のBSは、 毎月税理士に算出してもらっているかと思います。 しかし、このPL/BSを読みこなせてる社長や経営者は、 以外にも少ないというのが事実です。 ちなみに、私自身も起業してから数年は、 全然良く分かっていませんでした。 損益計算書であるPLの方は分かっても、 貸借対照表のBSは全然サッパリでした・・・笑。 勘定科目が見慣れない漢字ばかりで、 ちょっとアレルギー反応があったくらいです。 PL/BSを完全に理解できていなくても、 年商や売上は順調に上がっていたので、 読めないことを気にしていませんでした。 しかし、銀行からの借り入れを検討する段階で、 PL/BSが読めないとマズイことに気づき、 そこから勉強をして今は読めるようになっています。 会社売却や事業売却の際の財務DD(デューデリジェンス)を 税理士ではなく私自身が出来るまでになりました。 また、税理士の仕訳や帳簿のミスや 間違いにも気づいて指摘できるほどです。 ちなみに、経営者はPLを重視するのではなく、 BSを重視して経営していった方が良いです。 PLはあくまでも収支だけが分かるのであって、 会社にとって重要な指標はBSにあるからです。 毎年のPLの積み重ねが、BSに現れるので、 BSを意識することは非常に大事です。 ただ、このBSを読めるようになるには、 ちょっと勉強が必要です。 読めるかどうかを見極める上で、 1つ問題を出したいと思います。 「最新のBSを見て、今期消費税をいくら収める 必要があるか分かりますか?」 パッと計算できるなら、ある程度読める と言っても良いと思います。 もし、分からないのであれば、 簡単に押さえるべき要点を説明するのと同時に、 勉強するのにおススメな書籍を紹介するので、 この先を読み進めてみてください。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ 営業利益=経常利益は、経営者として失格!? ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ まずは、PLについてポイントを解説します。 多くの中小企業やベンチャー企業のPLは、 営業利益=経常利益になっています。 ほぼ同じ金額になっていることが大半ですが、 これは経営者としては、ちょっとマズイです。 このようなPLを見た瞬間に思うのが、 補助金や助成金を活用出来ていないということ。 国からもらえるお金を上手に活用していると、 営業外収益の部分に金額が入ります。 また、会社として投資をしていて、 そのキャピタルゲインが入るようになってると、 営業収益の部分に金額が入ります。 本業以外での収益があるというのは、 長く会社を経営していく上で大事なことです。 本業は良い時もあれば、悪い時もあったりします。 そのアップダウンに影響されないように、 本業以外で収益が上がる仕組みを持ってることは、 経営を安定させる上で大事なことなので、 少し意識してみると良いかもしれません。 100年以上続いている長寿企業は、 本業+投資で稼いでいるところが多いです。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ BSで一番大事な数字は、現預金がいくらか? ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ では、BSについて触れていきます。 まず、色々な勘定科目がある中において、 一番大事なものは現預金になります。 PLには、今会社に現金がいくらあるか書かれてません。 会社は赤字でも潰れることはありませんが、 現金が無くなったら潰れてしまいます。 例え、黒字であったとしても、 現金がゼロになったら倒産します。 なので、現預金がいくらあるのかは、 必ず確認しなければいけない勘定科目になります。 そして、いくら現金があれば良いかの話ですが、 最低でも月商の2倍の現金を保有しましょう。 理想は、月商の5倍くらいの現金です。 万が一、売上が0円になってしまった場合に、 何ヶ月会社が持つのかどうかを意識して、 現預金が足りないのであれば借入しましょう。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ 無借金経営よりも実質無借金経営の方が大事 ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ 無借金経営を自慢する人がたまにいますが、 正直に言って経営者としては失格です。 自分でアホ経営者と言っているのと同じです。 そもそもBSが本当の意味で理解できていれば、 無借金で会社を経営することはできないことが、 分かるはずだからです。 月末締めの翌月末支払いの支払いサイクルは、 1ヵ月間の借金をしているのと同じことです。 BS上では、買掛金という科目になります。 この買掛金は、超短期借入金と同じであり、 実際には無借金にはなり得ないわけです。 また、無借金で一度もお金を借りたことがない会社は、 ある意味で金融機関から信用がゼロな状態です。 銀行はお金に困った時に貸してくれる所ではなく、 お金を持っている会社に貸そうとします。 金融機関との信用作りのためにも、 お金が必要でなくても借入をした方が良いです。 ちょっと話は逸れましたが、 大事なのは無借金ではなく、 実質無借金で経営をすることです。 銀行や金融機関から借り入れをしていても、 その金額以上に現金を持っていることを 実質無借金経営と言います。 なので、固定負債の金額よりも現預金が大きければ、 貸し剥がしにあったとしても大丈夫なわけです。 会社は現金がゼロになったら黒字でも潰れます。 潰れない会社にするためにも、 長期借入をして現金を保有しましょう。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ 自己資本比率は何%であるのかをチェック!! ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ 借入をして固定負債が増えると、 自己資本比率が下がります。 自己資本比率とは、 総資本のうち純資産の占める割合。 ちょっと分かりづらいですね・・・笑。 言い方を変えると、 「全体の資産で返済しなくていい資本がどれだけあるか」 になります。 分からなければ税理士に自己資本比率が、 何%なのかを出してもらってください。 この数字が、30%以上であれば大丈夫です。 逆に、10%以下だと危険な推移です。 金融機関から無担保無保証で借り入れするためには、 最低でも20%以上の自己資本比率が求められます。 毎年黒字で経営していき、税引き後の純利益が、 BSの繰越利益に溜まっていくと自己資本比率は、 どんどん上がっていくかたちになります。 自己資本比率を高めるためには、 変な節税して赤字にするのではなく、 きちんと法人税を支払って、 BSの純資産を厚くしていきましょう。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ 利益剰余金が配当を受け取れるMAXの金額 ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ BSの項目で純資産の部に利益剰余金があります。 これは、会社の内部留保に当たるものです。 この利益余剰金の金額は配当することができます。 未上場の中小企業だと配当の意識が無いですが、 この利益剰余金は全額配当に回すことも可能です。 個人で会社の株を持っている場合に配当すると、 総合課税になってしまい最高で55%税金取られますが、 資産管理会社で株を持っていて配当すると、 無税になったりします。 資産管理会社で会社の株の1/3以上持ってれば、 益金不算入制度が適用されて無税になります。 配当は株主総会の決議をすれば、毎日でも毎月でも、 いつでも好きに配当できます。 私は、資産管理会社と益金不算入制度を活用して、 無税で配当を受け取っています。 このスキームを知らない経営者や社長も多いので、 税理士に相談をして実施を検討してみてください。 以上、簡単にPL/BSのポイントを解説しましたが、 より深く理解して読めるようになるために、 おススメの書籍が1冊あります。 『12歳でもわかる!決算書の読み方』 という書籍です。 タイトルの通り、凄く分かりやすく解説されてます。 電子書籍もあるので、是非読んでみてください。 → https://www.amazon.co.jp/dp/4894513854
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